オリンパスOM-1は、数ある一眼レフの中でも、最高級の人気をほこる逸品です。プリズム腐食という病に陥っているので、人気の割に比較的安価で手に入れることができます。
・基礎知識
・トップカバー分解
・クランクが分離した時の対処法
・巻き上げるとシャッターが切れる
・低速不良
以上を解説していきます。
※体験教室用のまとめ記事です。修理依頼を頂いた場合と異なり精度より簡単を優先してます。
◆基礎知識
ノーマルのOM-1以外に、見た目ほぼ同じのバージョン違いがあります。
Olympus M−1
台数が少なく値段にはプレミアが付いています。古い機種の為、不具合が出ていると治りづらいです。銘はM-1なのですぐわかります。
Olympus OM-1N
製造されたのが、一番新しいのがOM-1Nです。よく見るとOM-1銘の横にちょこんとNの文字があります。
プリズム腐食がほぼ無い非常に優れた機種です。
Olympus OM-1 MD
MDと書かれたシールが張ってあるのがOM-1 MDです。剥がれているとぱっと見同じで判別できないのですが、裏蓋を見るとモータードライブ用の蓋がついています。
分解時は、シャッター速度等のお約束はありません。
巻き上げレバーのカバーを外します。
カバーの銀の縁の外周に溶剤を注してからゴム板で回します。
カバー上の2つの穴は罠です。カニ目レンチで絶対に回してはいけません。
どうしても取れない場合は、銀の縁の内周に溶剤を掛けて黒いカバー部分だけ剥がして下さい。黒いカバーをゴム板で回していると剥がれてきます。
中にカニ目があるので、そこではじめてカニ目レンチを使って回して下さい。
レバーの下に円盤の押えがあるので、ペンチ等で外します。
二股を固定し、巻き戻しクランクを外します。
ネジ2本を抜きます。
軍艦中央の押え環を外します。
先の細い丸ペンチで、金具の欠き目を挟み付けて回します。
回すときに、頭部を引っかかないように注意して下さい。
分解に必要な各パーツは取れたのでトップカバーを上に引き上げます。
分離後バネとワッシャーは失くす前に回収します。
組み戻す際に忘れやすいので注意です。
ホットシューのネジ2本を外します。
大量のモルトが付着しているので、除去して下さい。
脇に垂らしておきます。
コードを介錯して、プリズム左右のネジを露出させます。
押え金具を外したあとプリズムを上に抜きます。
プリズムはモルトだらけになっているので除去して下さい。
◆組み上げ
バネとワッシャーを忘れずに元の位置に戻した後、カバーを被せます。
軍艦中央のリングから取り付けます。
他のパーツを先に取り付けると、リングが入る穴の位置が中心からずれて入らなくなります。
◆クランクが分離した時の対処法
組み合わさった部品がバラバラになることがあります。
戻す時はまず、ノブの部分を円盤の溝に差し込みます。
上に引っ張れば元に戻ります。棒の左右のはみ出しが偏らないようにして下さい。
巻き上げとともにシャッターが切れてしまうというものです。
ミラー室脇を洗浄すると症状緩和することが多いです。
低速シャッター不良
上の症状と併発していることが多い、低速で切るとミラーアップしたままになるという症状です。
クシュンって音がするんで、ほんとに風邪ひいたみたいです。
作業のときは、底板は外しておいて下さい。
まずミラーアップレバーを縦にします。こうするとミラーが上がったままになり以降の作業がしやすくなります。
モルトが左右に貼ってありますので剥がします。(戻す時再利用します。)
マイナスドライバーをミラー室隙間から差し込んで、上に剥がします。接着された部分もあるので多少取りづらいです。
内部にスローガバナーが潜んでいるので、低速シャッターの時にゆっくり動いているギアめがけて洗浄して下さい。
・巻き上げスカスカ
・シャッターロック
・露出計NG
・腐食の直し方
なんかもいつかアップしたいです。
オリンパス OM-1のメンテナンス方法は以上です。
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阿部聖子 (日曜日, 16 7月 2023 15:33)
こんにちは。OM1のフィルムカメラを使用しています。 ASAのダイヤル表示が気がついたら外れて無くなってしまいました。
部品もなくて困っています。修理できますでしょうか?