フィルムコンパクトの中でも人気が特に高いGiiiのメンテンナンスを行います。
レンジファインダーカメラと言う部類で、ファインダーの二重像を合わせることによってフォーカスを調整します。
QL17とQL19がありますが作業の違いはありません。また、一世代前のニューキャノネットも作業内容はほぼ同じです。
・トップカバーの分解
・ファインダーの清掃
・タイマー動作の改善
・レンズ清掃
以上を行います。
※体験教室用のまとめ記事です。修理依頼を頂いた場合と異なり精度より簡単を優先してます。
ゴムオープナーで巻き上げレバー上のリングを外します。
レリーズボタンを上に引き、他のパーツも外します。
レバー上の板バネのリングは表裏があるので注意して下さい。
軸の二股部分を固定して、巻き戻しクランクとその下のワッシャーを外します。
カバー周りの側面のネジ2本と後面のネジ1本を外します。
トップカバーを上に引き抜きます。
巻き上げ軸の上にワッシャーがのっているので回収しておいて下さい。
頭を抜いたらまずは露出計が動いているかを確認します。
◆ファインダー清掃
プラスチックカバーを外します。
マイナスドライバーを接着面に差し込んでやれば取れます。
ファインダー内が露出しました。
斜めに入っているガラスは、ハーフミラーで蒸着面の水拭き厳禁です。
蒸着面(画像のNG側)を水拭きすると、ミラー塗装が剥げます。
塗装が取れてしまうと二重像が見えなくなるので注意です。
ハーフミラーに注意しながら前後のレンズを清掃します。
蒸着面は脱脂綿を丸めたもので乾拭きします。念の為、端の部分から軽く拭き様子をみながら清掃して下さい。
トップカバーのファインダー部分を清掃します。
前方のファインダー周りに黒く塗装がしてあり、アルコールなどで拭くとはげます。塗装部分にはあまり触れないように、クリーナーで清掃して下さい。
中央のすりガラス部分もクリーナーで清掃してかまいません。
清掃後、ファインダー上部のプラスチックカバーを接着し、トップカバーを戻していって下さい。
◆タイマー動作の改善
レンズ脇のタイマーは動作が鈍っていることが多いです。
タイマーの付け根部分を揮発性の溶剤で洗浄してやると回復します。
◆レンズ清掃
銘板周りのリングをカニ目レンチで外します。
銘板を上に引き抜いて外します。
金属板のリングを外し、前レンズをカニ目レンチで外します。
絞り羽根前後のレンズ面が特にカビやすいです。
絞り全開でバルブでシャッターを切り内側のレンズを清掃して下さい。
外した前玉の裏側部分です。
周りの塗装が剥げるので、なるべく塗装を触らないよう清掃して下さい。
レンズを清掃したのち戻します。
金属板のリングは、穴をボディ側のピンにはまるように戻します。
銘板の裏側に丸い溝があるのでピンにはめます。
銀のリングは無理にはめようとすると曲がりやすいです。ゴムオープナーで回すといい感じです。
以上キャノンキャノネットGiii QL17のメンテナンス方法でした。
ファインダー内ハーフミラーの清掃は他のレンジファインダーと共通する部分なのでよく覚えておいて下さい。
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